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ホヴァネス 日本の木版画による幻想曲:隠れたジャポニズム

ホヴァネス:交響曲第1番「追放者」・第50番「セント・へレンズ山」/日本の木版画による幻想曲ホヴァネス:交響曲第1番「追放者」・第50番「セント・へレンズ山」/日本の木版画による幻想曲
(2012/08/22)
ホヴァネス、 他

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ホヴァネス 日本の木版画による幻想曲 作品211

そろそろ日本をテーマにした作品や、邦人作曲家の曲を取り上げたくなった。先月伊福部を取り上げたばかりだが、僕はやはり日本に関するクラシック音楽というものが好きなのだ。
もちろん邦楽には邦楽の良さがあるが、「西洋音楽という手法による日本」も、不思議な魅力があるものだ。特に日本人リスナーの自分にとってはそうである。このブログでも、そういう音楽をたくさん取り上げて紹介したいと思っている。
アラン・ホヴァネスという作曲家は、20世紀に活躍した作曲家で、あまりポピュラーではないかもしれないが、アルメニア系とスコットランド系の両親のもとに生まれ、アメリカで活動し、ハワイ・インド・日本・中国・韓国など多くの地を訪れ音楽を学び、たくさんの音楽家が彼の音楽に魅了され、67曲もの交響曲を作ったという、本当に大活躍した作曲家なのである。この多国籍っぷりと多作っぷり。すごい人なのだ。
ストコフスキーは彼の音楽に惚れて作品を依頼し、交響曲第2番「神秘の山」を作曲しているし、コステラネッツもまた彼の音楽を評価する指揮者であり、ホヴァネスの名を世に送り出したのはコステラネッツのおかげとも言える。
この作品もコステラネッツの恩恵を受け世に出たものである。
日本の木版画というと、やはり浮世絵を思い描く。実際にホヴァネスは日本を訪れて北斎や広重からインスピレーションを受けたようだ。ピアノ作品には「広重の猫」と題するものもある。
日本の絵画からのインスピレーションに加え、日本の音楽を学んだことが、この作品には活かされている。ホヴァネスは1962年から1963年まで雅楽や長唄、浄瑠璃を学んでおり、その独特の和声やリズムを自身の作品に取り入れた。
ホヴァネスは日本人コロラトゥーラ・ソプラノ歌手藤原ひなこと結婚もしており、日本への思いも相当あるだろう。
今回取り上げた「日本の木版画による幻想曲」は、木版画で描かれた日本の情景を、マリンバと管弦楽という組み合わせで描いた協奏曲的作品。
ドビュッシーが浮世絵から影響を受けたというのは有名で、ブリヂストン美術館で企画展もあったが、ホヴァネスのこの曲も知ってほしいと思う。単一楽章で、15分ほどの長さ。日本人の耳にも馴染むし、聴きやすい作品だ。

本来はシロフォンと管弦楽という指定だが、マリンバの方が音色の幅もあり、またヴィルトゥオーソ的な協奏曲である傾向もあるので、マリンバ奏者のレパートリーとして演奏される作品となっている。
雅楽の要素を取り入れた弦楽の響きに、五音音階を用いたトレモロによるマリンバの旋律。神秘的な始まりだ。
マリンバがソロなのは当然だが、雅楽的な表現を追求した結果、他の管楽器もソリスティックになる。木管楽器のグリッサンドや、和風の旋律を吹くトランペットソロなどにも注目したい。
ポリリズムも程よく用いられ、奥行きを感じるテクスチャーである。さほど複雑ではなく、当時の日本の絵画の持つ平面的な雰囲気、その中にあるシンプルな奥行き、そういったものが上手く音楽になっている。
そして、音楽はいくつもの場面が次々と現れるという構成になっている。こうした構成は連作の木版画を思わせる。人の動き、時間や場所、天候の変化なども表現されているのだろう。
ワルツ風の部分もある。ここはどのような場面を描いているのだろうか。音楽的には、彼の故国であるアルメニアの音楽の影響が見られる。そういう郷愁のようなものを重ねていたのかもしれない。
要所要所にマリンバの技巧的なカデンツァが入る。高速のマリンバは聴きどころだ。
雅楽風の和音が幾重にも重なる部分は、ちょっと強烈で現代音楽らしい趣きもあるが、日本人にはどことなく親しみのある響き。
クライマックスには、少々おあつらえ向きかもしれないが、和太鼓のリズムを模したパーカッションの伴奏に、いかにも和風な旋律。これはこれで心地良い。音楽は終わりに向かって勢いを増していく。
マリンバ協奏曲というのもそう多くないが、伊福部昭や吉松隆、黛敏郎、武満徹、三善晃など邦人作曲家が案外手がけているということを鑑みると、もしかすると日本人にとってどこか寄り添いたく成るような音楽なのかもしれない。
初期の頃の作風をバーンスタインやコープランドに批判されてから、ホヴァネスはそのオリジナリティをアルメニアや東洋に模索したが、この曲はそのような幅広い音楽の地域性の知識が生んだ名曲だと言える。
海外の日本料理屋さんは微妙なものが多いが、海外の作曲家の作る日本風音楽というのは面白いものが多い。これもそのひとつだ。

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