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珠玉の名曲たち、クラシック音楽を楽しむブログ。クラシック音楽の楽曲をテーマに、短いエッセーを書いています。

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ドビュッシー 子供の領分:父のやさしい詫言

ドビュッシー:ピアノ名曲集ドビュッシー:ピアノ名曲集
(2002/09/25)
ワイセンベルク(アレクシス)

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ドビュッシー 子供の領分

子供のために書かれた作品ではなく、あくまで子供の心情や情景を描いた、ドビュッシーの後期の作品。
「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」「象の子守歌」「人形へのセレナード」
「雪は踊っている」「小さな羊飼い」「ゴリウォーグのケーク・ウォーク」の6曲からなる。
ドビュッシーによって長年考え尽くされたあらゆる技法が組み合わさり、絶妙な融合美が生まれている。
僕のお気に入りは「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」と「雪は踊っている」である。
前者はピアノ練習中の子どもの気持ちや様子を描いた曲。
ちょっと退屈で、ふざけたくて、やっと終わってあーくたびれた!という感じが非常にわかる曲である。
後者については、まったくこの曲といい、交響詩「海」、「雨の庭」、「野を渡る風」といい、ドビュッシーの自然描写には驚嘆せざるをえない。

印象派らしい絵画的な音楽としても、この曲集は完全な美しさを備えているのだが、ここで取り上げるべきは「父」としてのドビュッシーであろう。
最愛の娘シュシュ(シュシュは愛称、当時3才)に贈られたこの曲集は、子供の目、子供のこころを通した様々なものが表現されている。
ドビュッシーの、父として子どもに際限なく贈る愛が、この曲集からはあふれ出ている。
父としてのドビュッシー、その愛の表現とは。
まるで子ども心を取り戻したようなドビュッシーが見た、フェルト製の象、忘れられた人形、真新しい羊飼い人形、不思議な動きの操り人形…
雪は降り止まない。いつもと違う白い世界、花は隠れ、お日様はどこへ?

印象派最大の芸術家であり、溺愛する娘の前では一人の「父」である。
そんな温かさを持った曲集だ。そして以下の言葉が添えられている。

「あとにつづく者への
 父の優しい詫言をそえて
 私の可愛いシュシュへ」
  クロード・ドビュッシー
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