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シューマン 交響曲第3番「ライン」:川の情景としての交響曲

Schumann: Symphony No. 3 Schumann: Symphony No. 3
(1996/05/28)
Ludwig van Beethoven、

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シューマン 交響曲第3番変ホ長調,op.97「ライン」

4曲ある交響曲のうち最後に書かれたものがこの「ライン」である。N響アワーでもおなじみのこの曲は1850年の作で、現在の第4番は1841年に作られた曲の改訂版である。
シューマンはこのとき40歳で、ちょうどデュッセルドルフに引っ越してきたところだ。
精神疾患持ちのシューマンは、この新しいライン川沿いの環境で気分を新たにし、創作意欲も沸いたという。
川の音楽が好きだ好きだと言い続けている僕にとって、この曲も愛すべき「河川音楽」のひとつだ。
「ライン」というのはシューマン自身の命名ではないが、ライン川周辺の散策からインスピレーションを得た作品である。
いくつかの作品で見せるような彼の「病的な精神」を比較的感じない曲であり、爽やかな印象すらある。
だがあまりそういう点に囚われないで聴くのが良いようにも思う。純粋に彼の音楽の才能が最高の形で発揮されたことに喜ぶべきかもしれない。
当時には珍しい5楽章構成で、演奏時間は約30分前後。

管弦楽法が常に指摘され続けるかわいそうなシューマンだが、この曲も例外ではなく、マーラーをはじめ多くの指揮者が自身の演奏の際にオーケストレーションを手直ししている。
まあ直さない方がかえってシューマンらしくて良いという評価もあるのだが、シューマン贔屓の僕としては、管弦楽法を直してでも皆こぞってやりたい曲なのだ!という風に解釈にしている。駄作なら捨てれば良いものだが、そうもいかないのだからね。
1楽章はローレライがモチーフとされる。序奏なしでいきなり現れる川の動きを思わすようなシンコペーションは、聴いた瞬間から心を掴んで離さない。
緩やかな流れになった2楽章はコブレンツからボン、3楽章ボンからケルンであると言われる。ここは落ち着いた川のような弦楽の美しさを堪能しよう。
4楽章はケルン大聖堂。チャイコフスキーもこの楽章は高く評価したようだ。荘厳な雰囲気は大聖堂そのものである。神々しい金管のコラールにも注目したい。
5楽章はデュッセルドルフのカーニバルを意識しているようだ。次々に現れてくる管楽器には思わず惹きつけられるし、陽気な雰囲気は第1交響曲「春」を思わせる。
何より僕はこの5楽章の冒頭の主題がいかにもシューマンらしくて大好きだ。これだけで鳥肌が立つ。流れるような演奏よりは、特にゆっくりと和音をかみしめるような演奏をされるともうたまらない。そういう意味ではワルター指揮ニューヨーク・フィルの演奏は素晴らしい。
こんな風に情景を思い描いて「ライン」を聴くと、交響曲というよりは5つの連作交響詩のような感じかもしれない。
だがこの曲はそうやって聴くのがちょうど良いようにも思う。全体的な明るさや優雅なライン川の美しさを前にしては、シューマンの深い精神の森に入り込むなんてことは場違いのように感じてしまうのだ。

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