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珠玉の名曲たち、クラシック音楽を楽しむブログ。クラシック音楽の楽曲をテーマに、短いエッセーを書いています。

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ヴォーン=ウィリアムズ 音楽へのセレナード:Become the touches of sweet harmony

Serenade to MusicSerenade to Music
(2010/10/12)
R. Vaughan Williams

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ヴォーン=ウィリアムズ 音楽へのセレナード

初めて聴いたのはおそらくプロムスの演奏だったと思うが、そのときから本当にいい曲だなあと思っていた。優しく、慈愛に満ちた音楽。「音楽へのセレナード」(Serenade to Music)という題名に、ああ、これは紛うことなき、音楽に対する強い思いを込めた、本当に本物の芸術なんだなあ、と純粋に感動したものだ。音楽とは、やはりこういうものだ……そこまでは言わないにしても、セレナードの元の意味は恋人に歌う歌である。音楽という恋人を持っている人にとっては、おそらく心に響くものがあるだろう。
管弦楽と声楽のソリスト複数名ないしは合唱という、ちょっと変わった編成。歌詞はシェイクスピアの『ヴェニスの商人』の最後の部分をアレンジしたもの(歌詞はこちら)。あまり録音が多い訳ではないし、特に歌部隊は色々な編成演奏される。もちろん原典は原典としてあるのだが、いずれにせよ、これを奏でる者にとって(あるいは指揮者にとって)、最も愛を伝えられる編成をとってきた、と考えるのは考え過ぎだろうか。
原典はというと、1938年に初演された。BBCプロムスで長きに渡って指揮者を務めたイギリスのかつての名指揮者ヘンリー・ウッドに献呈された作品で、ヘンリー・ウッドの指揮者活動50年を記念したガライベントのようなコンサートで演奏された。
BBC響、ロンドン響、ロンドン・フィルのメンバーと、混声のソリストたちによって演奏され、歌詞の部分はかなり細かく分けられ、歌詞にはソリストたちのイニシャルが振られている。実に独特で、このような曲は(現代音楽を除いて)そうそうないだろう。
しかし、この独特の構成が、決して消えることのないハーモニーを生み出す。

『ヴェニスの商人』の最も美しいところとして知られる部分をもとに改変して歌詞が作られているが、ヴォーン=ウィリアムズは単にシェイクスピアを引用してその美と権威を借りようとしたわけではないのは当然のこと。
詩の内容は、音楽、特に「宇宙の音楽」(天空・天体・天球の音楽とも言う。Music of the Spheres)について話をしているというものであり、音楽へのセレナードという題にふさわしいものになっている。それほど難しい内容でもないので、ぜひ読んでみて欲しい。歌詞を理解すれば、この曲のセレナードとしての核心を見ることができるし、是が非でも夜に聴きたいと思うことだろう。
この曲は、こうした熱い思いや、不安、満足感、歓喜、快楽などをすべて包含して作られている。ヴォーン=ウィリアムズのこの曲にかける想いたるや、尋常なものではなかっただろう。
ソリストたちは朗々と歌い上げるも、決して起伏の激しい曲ではないし、十数分やや退屈に感じてしまう人もいるかもしれない。しかし、セレナードとはそういうものもあろう。日暮れに思いを伝える愛の歌は、いつもいつも劇的とは限らない。淡々としているようでも、“当人たち”にしかわからない言葉で、最も幸福な時間を過ごし、最も熱い気持ちを伝えているということもあるだろう。むしろそれが自然であるように僕には思われる。この曲はそういう意味で、“当人たち”でありうる聴者にはごくごく自然なのだ。
指揮者ワインガルトナーの語るところによると、彼は初演の会場で、自分の席の後ろにラフマニノフがいるのに気づき、演奏後にはラフマニノフは目に涙をいっぱいに浮かべていたらしい。
ラフマニノフはこのイベントに、ピアノ協奏曲第2番を演奏しに来たのだが、後にヘンリー・ウッドに語ったところによると、この「音楽へのセレナード」を聴いて、かつてこれほどまでに心を動かされた音楽は聴いたことがないと言ったそうだ。
ラフマニノフもまた、音楽に対する想いを強く持つ者の一人であることには違いない。僕もまた、そのひとりだと自負している。
“Become the touches of sweet harmony”という歌詞が出てくる。思わず唸る。今宵もまた音楽に思いを寄せるのだ。

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| ヴォーン=ウィリアムズ | 22:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ヴォーン=ウィリアムズ 南極交響曲:氷点下の情熱

Sinfonia 7 / Sinfonia Antartica / Sinfonia 8Sinfonia 7 / Sinfonia Antartica / Sinfonia 8
(1998/08/18)
Ralph Vaughan Williams、 他

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ヴォーン=ウィリアムズ 南極交響曲

夏なので涼しくいきたい。ヴォーン=ウィリアムズの南極交響曲は、そういう意味で非常に都合の良い曲だ。
その曲名(Sinfonia antarctica)からも冷たいイメージが伝わってくるが、聴いてみればまさしくその冷却感(?)がひしひしと伝わる。これは涼しい。
冗談はさておき(と言っても半分本当なのだが)、イギリスの作曲家ヴォーン=ウィリアムズは、9曲の交響曲を残しているが、この南極交響曲は番号で言うと第7番に当たる。
もとは映画音楽であり、それを交響曲に編纂したものである。1947年の『南極のスコット』という映画で、プラハ映画祭で音楽賞を受賞した。1949年から1952年に編曲され、初演は1953年。
映画のための音楽なので、オーケストレーションは自由で大きい。女声合唱やソプラノ独唱に加え、パイプオルガンやウィンドマシーンまで使うという豪華さ。
その豪華さのせいで録音や演奏が少ない、と言いたいところだが、案外録音されるし演奏される機会もある。まあ国内ではめったにお目にかかれないのだが。
全5楽章で1.前奏曲:アンダンテ・マエストーゾ、2.スケルツォ:モデラート~ポコ・アニマンド、3.風景:レント、4.間奏曲:アンダンテ・ソステヌート、5.終幕:アッラ・マルチア、モデラート(ノン・トロッポ・アレグロ)という題名と、それぞれの楽章の最初に色々な詩の引用が書かれている。
すべて書くと長いので割愛するが、これを朗読したりする音源もある。ぜひ聴いてみていただきたい。

涼しいという理由は、やはりその音色が作り出す雰囲気だ。シロフォン、グロッケン、チェレスタ、これらの楽器の音を巧みに用いて、氷山や氷の平原、氷の岩のイメージを作り出している。
ちょうどサン=サーンスの動物の謝肉祭の「水族館」や「化石」のような巧みさがある。
そうした涼しさという魅力が随所にあるので、随所で涼むことができる。もちろんそれだけではどうしようもないので、もう一つ語りたいのは、人間の情熱の熱さがあるという点だ。
これでは涼めないじゃないかというツッコミはなしで。容赦なく立ちはだかる大自然に対する男たちの決意が、1楽章の冒頭から歌われる。この主題は循環形式をとって用いられる。明らかに回避することができない悲劇を前にした、魂の奥底からの響き。
女声とウィンドマシーンは、この冷たい気候の厳しさを一層はっきりと表現する。
聞き所はたくさんあるのだが、やはり全停止の直後のオルガンの爆発を挙げたい。疲れ果てた人間たちにのしかかる崩壊。
かくの如きクライマックスを経て、音楽は楽観的な風に再帰するも、最後は悲歌的な終わりだ。天候は吹雪。言葉なき声が響く。
ドビュッシーのような絶妙な描写と、英国民族音楽らしい素朴ながら人間の力が込められた歌が混在している。一方は涼しく、他方は熱い。これは魅力的な音楽だ。

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| ヴォーン=ウィリアムズ | 21:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ヴォーン=ウィリアムズ 幻想的五重奏曲:繊細さと民謡が織りなす世界

Vaughan Williams: Phantasy Quintet/String Quartets 1 & 2Vaughan Williams: Phantasy Quintet/String Quartets 1 & 2
(2001/05/15)
不明

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ヴォーン=ウィリアムズ 幻想五重奏曲

イギリスの作曲家としてエルガー、ホルスト、ブリテンと並び、日本でも人気を博すヴォーン=ウィリアムズ。
9つの交響曲、グリーンスリーブスによる幻想曲、タリスの主題による幻想曲などが有名だ。
僕は吹奏楽経験者なので、「イギリス民謡組曲」で彼を知ったのだが、まあ田舎くさい曲を作る人だな、と思っていた。
だがヴォーン=ウィリアムズのそういうイメージを一新するきっかけになったのが、この彼の室内楽曲である。
CDの帯に「ドビュッシーもラヴェルもびっくりの美しさ!!」と書いてあって、本当かよと思って手に取った。
この幻想的五重奏曲は、弦楽四重奏と第2ヴィオラのための五重奏曲で、1912年に作られた。

ヴィオラの五音音階から始まる1楽章プレリュードは、日本の民謡のようにも聴こえ、我々日本人には親しみやすい。
高低メロディーの受け渡しとその絡み合いが、透き通るように美しい幻想世界を生み出している。
2楽章のスケルツォ、ここで僕の体に、身体の髄を掴まれたような衝撃が走った。
躍動するリズムが生む推進力は、魂を揺さぶるだけでなく、作品の華麗さ・美しさをも増す。
それとうってかわって、3楽章のアッラ・サラバンダは、優しく、あったかく、幼少時代を思い出してしまうような、夢見心地のする素朴な旋律が魅力的だ。
4楽章ブルレスカは、得意の民謡調から始まる。
徐々に多声化していき、突如場面が力強い舞曲風に変わると、民謡と現代の入り混じったような、ヴォーン=ウィリアムズ特有の不思議な旋律。
濃厚なうたを重奏で歌い上げ、ドローンの上のカデンツァ風のヴァイオリンソロ聴き惚れているうちに、再現部に入り、あっという間にフィナーレを迎えてしまう。
終わるのが惜しいような、美しく天に昇華するフィナーレは、他の作曲家の作品にも多く見られるが、室内楽の持つ最大の魅力の1つだと思う。
ドビュッシーとラヴェルがびっくりするというのは大げさかもしれないが、彼らの弦楽四重奏曲に引けを取らないのは確かだ。
やはり島国だからか、それとも単に僕がこてこての和風が好きだからか、親和性のあるイギリス音楽は本当に落ち着く。
印象派のような響きを持ちつつも、ドビュッシーやラヴェルのようないわゆる印象派ほど洒脱ではない。
むしろその繊細な和音の内には、ちょっと泥臭く、田舎じみた雰囲気が漂っている。
そうであるからこそ、ヴォーン=ウィリアムズの幻想世界は、僕の心を驚くほど自然に歓迎してくれるのだろう。

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| ヴォーン=ウィリアムズ | 12:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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