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ラロ スペイン交響曲:スペイン風の楽しみ

ラロ:スペイン交響曲&サラサーテ:チゴイネルワイゼンラロ:スペイン交響曲&サラサーテ:チゴイネルワイゼン
(2006/03/23)
ムター(アンネ=ゾフィー)

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ラロ スペイン交響曲ニ短調 作品21

ラロと言ったらスペイン交響曲であり、他の曲の知名度は限りなく低い。ノルウェー幻想曲など。
世間では一発屋と呼ばれるが、今も昔も、クラシックにしてもJポップにしても、一発当てればすごいもので、「KAN」や「大事マンブラザーズバンド」を見てもわかるが、大体そういう曲は後世まで残るものだ。
交響曲と銘打ってあるが、実質は5楽章のヴァイオリン協奏曲である。名前は単にラロの趣味だろう。
「スペイン」と付けているのにはしっかりと訳があり、彼の祖父はスペイン人であり、スペイン情緒を全面に出した、熱く、派手な曲である。
ビゼーの「カルメン」、リムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」より少し早い頃の作品。
とにかく全楽章を通じて、ヴァイオリンが魅せる魅せる。技術以上に聴き映えのする曲だ。

リストの協奏曲でも述べたが、この曲の始まりも気合いが入っている。
いきなり重い伴奏がのしかかって来ると思うと、ヴァイオリンがこれまた濃厚なソロでやってくる。
1楽章は自由な展開にやや古典的な響き。2楽章は絶妙なヴァイオリン・ソロが印象深い。こういうのはときめきでちょっと胸が苦しくなる。
3楽章はわかりやすいハバネラ。ここにスペインを最も感じる。リズムの楽しみどころ。
4楽章のアンダンテはより抒情的になる。5楽章は美しい伴奏にど派手なソロ、ここもスペインを感じるところだ。

スペイン音楽の楽しさは、情熱的な旋律もあるが、やはりリズムだろう。
ポップスでも、ラテンミュージックの面白味はリズムが鍵だ。
別に難しくはない、チャイコフスキーの「ナポリの踊り」にあるような、あの陽気なリズム。
或いはハチャトゥリアンのスパルタクス、ボロディン韃靼人のような。
体の奥底にあるなにかを揺さぶるような感じ。
まあどうこう言っても、結局この曲はヴァイオリンのパフォーマンスがメインである。
全体の構成や、もう少し細かな部分の展開などに多少難はあるようにも思うが、そこはこの曲に限っては無視してもいいかもしれない。
パフォーマンスという点や、純粋な聴く楽しさという点で、クラシックはどうしてもポップに劣るが、この曲はポップミュージックと張り合う楽しさを持っている。
情熱的・官能的なスペイン風の旋律とリズム、ヴァイオリン・ソロの濃厚な美しさとテクニックを、ポップスを聴くように楽しむのが良いようだ。

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