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珠玉の名曲たち、クラシック音楽を楽しむブログ。クラシック音楽の楽曲をテーマに、短いエッセーを書いています。

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ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」:すべてを含む恒久性

ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調Op.68 田園 他 [モノラル] (Beethoven : Symphony Nos. 1 & 6 / Furtwangler, VPO)ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調Op.68 田園 他 [モノラル] (Beethoven : Symphony Nos. 1 & 6 / Furtwangler, VPO)
(2008/02/07)
ベートーヴェン (Beethoven)、

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ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」

ベートーヴェンの「運命」と同時に初演され、そのときはこちらが第5番だった。
「運命」もそうだが、初演はあまり芳しいものではなかったようだが、「田園」も「運命」と並んで、現代まで愛され続けている名曲である。
この「田園(Pastorale)」という副題は、「運命」と違って、ベートーヴェン自身が付けたものであり、つまりこちらはれっきとした標題音楽なのだ。
ベートーヴェンの交響曲の中では唯一5楽章で構成されており、それぞれの楽章に
第1楽章「田舎に到着したときの晴れやかな気分」
第2楽章「小川のほとりの情景」
第3楽章「農民達の楽しい集い」
第4楽章「雷雨、嵐」
第5楽章「牧人の歌−嵐の後の喜ばしく感謝に満ちた気分」
と附されている。
それぞれ誰でも聞けばすぐにわかるほど明快に描写されているが、この曲が名曲たる所以はその描写の巧みさだけではないというのは、まあ容易に想像がつくだろう。なんてったてベートーヴェン大先生ですもの。

有名なフレーズから始まる1楽章は、実に親しみやすく、安らかな喜びに満ちている。
風景描写の見どころとしては、2楽章、川のほとりにてさえずる鳥たちの様子が木管楽器で奏でられるところ、また4楽章の嵐、ピッコロとティンパニが加わり、風雨や雷の様子を効果的に表現しているところなど。
単純明快な表現だが、それだけにこの曲全体の素朴な良さを壊さないような飾り付けと言えるだろう。
また3楽章の農民たちの踊りと5楽章の牧歌、これこそが「田園」の「田園」たる理由である。
全体的に、実にのどかで、聴けば確実に平穏を印象付けられる曲だ。
こののほほんとした雰囲気から感じるのは、自然の様子だけでなく、まさに1楽章で表されたような、喜びや落ち着き、幸福感などといった心象である。
ベートーヴェンはよくウィーン郊外のハイリゲンシュタットの森を散歩しながら楽想を練っていたのだが、このときもそうだった。
霊感をもたらし、また彼の対話相手とも言えるこの自然を、彼は心から愛し、感謝し、賛美しているのだ。
ベートーヴェンの愛した自然、この田園風景は、踊りも、歌も、嵐のような変化をも抱擁している。
それらをすべて包み込み、見守り、対話してくれるもの、それがこの「田園」なのだ。
「田園」は、耳が聞こえないことも関係なく、いつでも彼に変わらない表情を見せてくれる。
変わらない景色、変化に富む景色、そのどちらも含み、そしてその存在は常に変わらずにありつづけ、心を満たし続ける――そんな「田園」へのベートーヴェンの愛情が生み出した音楽なのだ。

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| ベートーヴェン | 15:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」:無限の解放へ

Beethoven: Symphonies 1 & 5Beethoven: Symphonies 1 & 5
(2004/11/22)
Ludwig van Beethoven、

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ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調「運命」作品67

僕が初めて「運命」を聴いたのは、確か小学生のときの「名曲アルバム」のビデオか何かで、そのときの印象は、「なかなか終わらない曲だなあ」というものだったと思う。
なかなか終わらないというのは、曲が長いことではなくて、4楽章の途中で盛り上がってきて、いかにも終わりそうなところで、実はまだ終わらない、ということだ。
ファゴットソロ、ホルンソロに入る直前の「ダン!…ダン!…ダン!…ダン!」という場所からなのだが、おわかり頂けるだろうか。
昔から「いかにもクラシック」というこの終わり(コーダ含め)が気になっていたのだが、今になって思うとそれが快感過ぎてたまらない、ある意味病的な自分に気付く。
1808年に初演されてから、この第5番(当時は第6番)は様々な作曲家に多大な影響を与えている。
そして多くの作曲家が交響曲第5番に傑作を残していて、例えばブルックナー、チャイコフスキー、ショスタコーヴィチなど、それこそ何かの運命を感じるが、その中でも、やはりベートーヴェンの第5番が最高だと僕は思う。

ベートーヴェンの作品の中でも、かなりマッドネスに満ちた作品であるともとれる。
冒頭の「ジャジャジャジャーン」の異常なインパクト、そしてその動機が執拗に繰り返される。
1曲を通して、隙間無く埋められたこの動機の配置は、考え尽くされた理性的な音楽であると同時に、狂わんばかりに、どこまでも情熱的な音楽であることを表しているように思う。
ちなみにこの動機は彼の他の作品にも何度と無く登場し、例えばピアノソナタ「熱情」などを聴けば、「ああ、運命だ」と思う。
また他の作曲家の作品でも、この音形は「運命の動機」などと呼ばれ、作曲家にも我々にも、ある特異な印象を与え続けている、ある意味伝説的な動機なのだ。
さて、溢れる狂気と情熱はもちろん魅力の1つだが、僕が最大の魅力だと思うのは、その昇華と解放に伴う快感である。
特に3楽章から4楽章へ向かうところの美しすぎる解決っぷりにはさすが楽聖といったところ。
何より僕の一番好きな4楽章、この清々しさは尋常でない。
目を閉じれば宇宙が広がる。体が、魂が、無限の広がりを持つ空間に放たれたような。
とことん理性的で、究極の統一感を保つ世界の中にいるのに、この爽快さはなんなんだ。
いつか「終わりそうで終わらない」と思った少年は、今やその終楽章の虜になっている。

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| ベートーヴェン | 21:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」:永遠の一番

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番&第5番ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番&第5番
(2003/06/25)
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」

ベートーヴェンの5つのピアノ協奏曲のうち最も有名かつ芸術的に成熟した作品。
ルードルフ大公に献げられたこの曲は、当時のフランス軍によってウィーンが占領されていたにもかかわらず、非常に堂々とした、力強いもので、まさに「皇帝」を思わせる(ただしこの副題はベートーヴェンによって付けられたものではない)。


僕が初めてこれを聴いたとき、「ああ、なんて『皇帝』っぽいんだ!!」と驚嘆した。
最も好きな協奏曲である。
沈んだ気分の時この曲を聴けば、不思議と「偉そう」な気分になり、元気になる。
昔はなんと言っても1楽章の勇壮さがたまらなく好きだった。
段々と2楽章の良さに気付いていき、今では2楽章が一番好き。
2楽章の美しさは、ベートーヴェンの他の曲と比べても、抜群に良いと思う。
2楽章は昇天します。そして静かに3楽章へ移っていく、この3楽章も明快な力強さにあふれ、申し分ない。
至福の40分間

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